よもぎファーム|郡上自然栽培よもぎ・入浴剤とアロマの草ブランド

2025/08/20 21:57


❶ 暮らしに根づいた薬草の知恵


日本には、草を暮らしに取り入れてきた長い歴史があります。
なかでも「よもぎ湯」は、古くから人びとの生活に寄り添ってきた、もっとも身近な薬湯のひとつでした。

よもぎは、“ハーブの女王”とも呼ばれるほど、豊富な効能を持つ植物。
血行を促し、冷えを和らげ、殺菌や抗炎症作用もある。
こうした力を「お湯に移して」活かすのが、よもぎ湯の知恵です。

化学薬品のなかった時代、草の力は、人々にとって身近な養生法でした。



❷ 魔除けと健康祈願の草として


よもぎは古来より、「邪気を祓う草」として神聖視されてきました。
平安時代の文献にも、よもぎを束ねて軒に吊るす風習が記されており、これは魔除けとしての意味を持っていたそうです。

特に象徴的なのが、端午の節句(5月5日)。
もともとこの日は、男の子の節句というより、季節の変わり目に無病息災を祈る「厄払い」の日でした。

よもぎと菖蒲を束ねて湯に入れる「薬湯」の習慣は、古くからの伝統。
草の香りと湯気によって、身を清め、病を遠ざけると信じられていたのです。



❸ 産後・病後の回復に寄り添う「養生湯」


民間療法の中では、「産後によもぎ湯につかる」風習も広く伝わっています。
血行を促し、冷えを取り除き、自然治癒力を引き出す。
薬が手に入りにくい時代、草の湯は何よりの“くすり”でした。

よもぎの成分が皮膚や子宮の回復を助けるとも言われ、
とくに女性の産後ケアには欠かせない存在だったのかもしれません。

また、風邪や病後の回復期にも、身体を芯から温める草湯として重宝されてきました。
現代でいうところの「冷え性対策」や「がんの養生」といったキーワードにもつながる知恵です。



❹ 暮らしに戻す、草の力と癒しの時間


私たちが育てているのは、そうした文化を受け継ぐ在来のよもぎです。
岐阜・郡上の山あいで、農薬を使わずに一株ずつ育てています。

いまは簡単に香料や入浴剤が手に入る時代ですが、
あえて「草そのもの」を煮出して、お風呂に入れてみる。

ただそれだけで、心と身体が、静かに整っていくのを感じます。
肌にふれるお湯がやわらかく、草の香りがふんわりと広がる。
自然と深呼吸したくなるような、そんな時間がそこにはあります。



よもぎ湯は、ただの入浴ではなく、
人の暮らしと草のちからが寄り添ってきた歴史そのものです。

これからも、そんな草の時間を、丁寧にお届けしていきたいと思います。

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