よもぎファーム|郡上自然栽培よもぎ・入浴剤とアロマの草ブランド

2025/07/26 14:37





僕は田舎が嫌いだった


正直に言うと、若いころの僕は、
実家のある田舎があまり好きじゃありませんでした。

「古今伝授の里」と呼ばれる
── 岐阜の郡上、大和町の山奥。

本屋やゲーセンなど、
若者が好きな遊び場はほぼなかった。

不便なだけの場所だと思って、
大学を機に都会に出ました。


<幼少期の僕|大学時代の僕>



夜中まで遊び、お酒を飲んで、
朝ラーメンを食べて寝るような生活を
楽しんでいた僕にとって、

「もうここに戻ってくることはない」

と思っていたほどです。






オーガニックコスメとの出会い


大学卒業後は、普通に会社員として働いていました。
そして、29歳で独立し、個人事業主に。
6年後、35歳で株式会社SKY DEERを設立しました。

国産オーガニックコスメ「ネオナチュラル」の
海外販売(中国・香港の総代理店)
としての仕事に取り組みながら、
成分や原料などを一つひとつ学び、
書類の翻訳作業を通じて、
自然やオーガニックに関する情報に日々触れていました。

防腐剤や香料、農薬のこと、
肌や身体への影響など──
たくさんの資料を読み込む中で、
「自然の力」への理解を少しずつ深めていった時期です。

けれどその頃はまだ、
「自然」との距離が、
自分の中ではどこか遠かったのかもしれません。






すべてを変えた、義父の死


40歳のとき、妻の父ががんで亡くなりました。

がたいが良くて、優しく、
大黒柱のように頼もしかった人です。
がんになってからも、
常に前向きで、ポジティブでした。

29歳から自営業をしていた僕は、
未熟で、失敗や挫折の連続でした。
そんな僕を、ずっと信じて、
励まし、支えてくれました。

それなのに、ある日を境に、
すっと、この世からいなくなってしまった。

なぜ病気になったのか。
どこに問題があったのか──
気づけば、ずっとそんなことばかり考えていました。




<よもぎファームから見る夏の山霧>


実家の空気の中で


その出来事をきっかけに、
自分の中の価値観が大きく変わった気がします。

・健康診断を定期的に受けるようになった。
・フライパンをテフロンから鋳物に変えた。
・キャンドルを灯し、ヨガをするようになった──

暮らし方そのものを、
見つめ直すようになりました。

今まで気にも留めていなかった実家の空気。
父が無農薬で育てた夏野菜。
井戸水で沸かしたお風呂のやわらかさと、
そのお湯の中でふわっと香る、ハーブの匂い ──

それらが、どれだけ貴重だったのかに、
やっと気づけたように思います。




<よもぎを手摘みしながら、畑をきれいにする僕>


よもぎと生きる暮らしへ


2021年、
独立して13年目、42歳になった年に、
思い切って会社の拠点を実家の地に移し、
先祖代々暮らしてきた場所へと戻ってきました。

郡上の自然に囲まれたこの土地で、
もう一度、ちゃんと自然と向き合って、
生きていこうと決めました。


そして、惹かれた草は──「よもぎ」でした。

「ハーブの女王」とも呼ばれ、
日本人の暮らしに深く根ざしてきた植物。

なぜ、よもぎだったのか。
惹かれた理由を挙げるとすれば、3つあります。


❶ 身体を整える力(健康・美容)
デトックス・抗炎症・温活・美肌など。
現代科学の研究でも明らかになりつつある、
よもぎの健康作用は、
日用品・食品・化粧品など、
多様なかたちで暮らしに活かされています。




❷ 心と空間を整える力(癒し・浄化)
よもぎの香りには、場を清め、
心を落ち着かせてくれるような力があります。
昔から邪気払いとして使われてきたように、
目に見えない疲れや不安に、
そっと寄り添ってくれる植物だと感じています。




❸ 風土に根ざす力(伝統・地域性)
お灸、草餅、薬湯、染め物──
よもぎは、古くからあらゆる場面で、
人々を癒し、守り、支えてきました。
そしてこの郡上の土地にも、
在来種が自生しています。
自然栽培に適した草です。



健康がなければ、
人生のすべては揺らいでしまう。

だからこそ、
誰もが健やかに、自分らしく生きてほしい──
僕は、そう願っています。

よもぎなら、
きっとその願いを叶えてくれると、信じています。






草の力が、寄り添う力になる。


2023年、
この郡上の山あいに、
昔から自生していた在来のよもぎを、
畑へと迎え入れ、栽培をはじめました。

農薬や化学肥料に頼らず、
雑草や虫を敵とせず、
土地の自然と調和しながら、
草本来の力を引き出す栽培を心がけています。

いまの時代は、便利さとスピード、
そして強い刺激に囲まれた暮らしが当たり前です。

でも、よもぎの香りや風味は、
そのどれとも違います。

強くはないけれど、
たしかにそこにあって、
静かに、やさしく、寄り添ってくれる。


2025年、
この草の力を、
もっと多くの人に届けたくて──
「よもぎファーム」
というブランドを立ち上げました。

よもぎに特化し、
そのちからを最大限に引き出すための、
本格的な商品づくりを進めています。

僕たちが育てた草。
そして、その命をいただいて生まれた製品が、
誰かの暮らしの中で、
そっと役に立てたら嬉しい。

そう思って、今日も畑に立っています。



|よもぎファーム代表:野田 和宏



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